今、世界では水不足が深刻化していることをご存知ですか?日本では水が不足していると感じる機会はあまりなく、完全に他人事として捉えがちな話です。
ですが、少しだけでも想像してみてください。もし今水不足になってしまったら、一体私達の生活はどうなってしまうのでしょうか。
ここでは、世界的な水不足を身近に感じていただくためにも、普段の生活から考えてみたいと思います。
もし水不足になった場合・・・
もし水不足になると、まずは取水制限から始まります。
この取水制限について、簡単に説明しておきたいと思います。
取水制限10%
取水制限とは、異常な少雨や枯渇などにより、ダムやその他の淡水を蓄えている施設の貯水量が減少した際、河川から取水する量を減らすというものです。
この段階では一般家庭に対して、節水の呼びかけ等が行われる程度で、日常生活に支障が出始めることはありません。
取水制限20%
取水制限率が20%になると、水道からの水の出が悪くなります。
まずは、工業用に使用されている水と、農業用に使用されている水が制限を受け始めることになります。
取水制限30%
取水制限率30%で給水制限10%となり、いよいよ本格的な水不足の影響を受けますが、一番辛いこととして挙げられるのが「断水」です。
水の出は悪くなる一方で、家庭での食事や洗濯、入浴、トイレなども今まで通りに利用できなくなり、夜間には断水されることもあります。
これ以上水不足が悪化してしまうと水道水はほぼ使用できず、断水は夜間にとどまらず日中にまで食い込み、トイレの水が流れない、入浴できない等から衛生面も悪化します。
世界の70億人という人口のうち、7億人は安全な水を利用することができていないと言われていますが、水不足になってしまった場合には、日本でもこのようなことが起きるかもしれないのです。
最悪の場合を想定してみましょう
では、上記のような取水制限云々ではなく、最悪の事態に陥った場合にはどうなってしまうのか、そのあたりも見ていきたいと思います。
- 水が不足して断水が開始される
- 入浴ができずに不衛生な状態で過ごすことになる
- 料理を作ったり、食器を洗ったりすることが困難になる
- 企業では冷房など使用禁止になる
- 学校給食が中止になる
- プールなども閉鎖され、娯楽施設が機能しなくなる
- 介護施設で入浴や排泄などに制限が入り、衛生環境が悪化する
- トイレが使用できなくなり、貴重な水の汚染や下痢性疾患の流行
- 農作物が作れなくなり食糧がなくなることで価格高騰
- 消防活動や病院での治療もスムーズにはいかなくなる
- 水道水がでなくなる
- 汚れた川の水などで洗濯をすることになる
- 感染症が蔓延して死亡者が多数でる
など、このようなことが実際に起きてしまうと考えられます。
今まさに、世界で深刻化している水不足によって、安全ではない水に依存するしかない状況にある人々は、これよりも酷い環境下におかれていると言えます。
普段から節水を
普段の生活から考えてみると、水不足はとても恐ろしいことだということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
まだ水に困っていない段階の私達が普段から節水していれば、水不足を少しでも改善していくことができるかもしれません。
まずは普段のシャワーの無駄遣い、トイレの流しすぎ、洗い物の際の無駄遣い等、少しでもなくしていくことが、水不足の危機から自分たちを守ることに繋がるのです。
世界では、これから人口はますます増え続けると言われており、2025年には地球の3分の2の人々が水不足の環境下におかれると予想されています。
遠い遠い先の時代の話ではなく、すぐそこにある未来の話なのです。
おわりに
普段の生活から水不足を考えると、とても恐ろしいと感じた方は多いのではないでしょうか。
さらに最悪の状態を想定するとすれば、先ほど挙げた事例よりも酷いことが起きると考えられます。
他の国の問題だと無関心で過ごすのではなく、少しだけでも目を向けてみてください。きっと、このままではいけない!と感じることができると思います。