地球上に水はたくさんあるように感じられますよね。日本では特に水が不足しているなんて考える瞬間すらないほどに、とても潤っていると言えます。
ですが、世界を見てみると、70億人中7億人が継続した安全な水の利用ができない状態にあります。
そして、安全な水を確保する設備も整えられていないため、汚染された水を飲むことで様々な病気が流行し、年間で約180万人(1日4,900人)のこども達が亡くなっています。
*参考:国連水資源報告書・人間開発報告書
この水不足は、人口の増加とともに今後ますます深刻化すると言われており、何らかの対策を施さなくてはならないという状況です。
今の地球の人口はどのくらい?
人口増加と言いますが、今現在は地球の人口はどのくらいなのでしょうか。
2016年10月現在では、地球の人口は約73億人となっています。
2013年に国連が発表した「世界人口展望」(2012年改訂版)によりますと、2025年には約81億人、2050年には約96億人、そして2100年には100億人を突破するという予想がたてられています。
管理が行き届いていない場所で生活されている世界の人々もいるため、正確に人口が分かるわけではありませんが、大体の予想ではこのような人数となります。
このまま人口が増え続ければ、当然ながら水の需要も増えていきます。
2025年には人口の3分の2が水不足に陥る
地球の人口は、一世紀もたたないうちに3倍以上にも膨れ上がっており、人口が約81億人に達すると予想されている2025年には、世界人口の3分の2が水不足に陥ると言われています。
*参考:国連(UN)食糧農業機関(Food and Agricultural Organisation、FAO)
今現在、水が不足している地域には、12億人の人々が住んでいますが、ここから5億人が新たに水不足の危機に陥る可能性があるというのです。
水がないのではなく使えない
地球には水がたくさんあるということは間違っていませんが、人間が実際に使える水が少ないというのが正しい解釈の仕方です。
というのも、地球上の水は97.5%が海水であり、淡水は2.5%しかありません。この2.5%全てが使用できるならまだ良いのですが、ほとんどが氷河や地下水となっているため、実際に使用できる河川水などは、0.01%しかないのです。
汚染や枯渇などの問題がある中で、使用できない水が多すぎること、そして使用できる水が少なすぎることで、今すでに何億人もの人々の命が危険にさらされているのです。
何か対策はあるの?
では、この深刻化する水不足問題に対して、世界規模で何か対策はとられているのでしょうか。
2000年の9月に、国連ミレニアム・サミットが開催され、国連ミレニアム宣言が採択されました。
この国連ミレニアム宣言は、平和や貧困、環境など大きく8つの目標を掲げており、2015年が達成期限とされました。その中に、「安全な飲料水を継続的に利用できない人々の割合を半減する」という目標が含まれており、2010年にはこれを達成しています。
水不足となっている国では、毎日何千人ものこども達が下痢性の疾患で命を落としています。ただ単に水があるだけではなく、安心・安全な水を供給することができるかどうかは、多くの命を守るための重要なポイントであることが分かります。
その他の対策として、氷山の運搬や蒸留、海水の淡水化など、様々な方法が検討・研究されており、スーパーコンピューターを使用しての水不足対策も打ち出されています。
おわりに
日本では水不足と言われてもピンとこないかもしれませんが、これは世界的に直面している危機であり、日本とて例外ではありません。
世界規模で今すぐ大きなことを成し遂げられるわけではありませんが、日常生活の小さなことに気を配るだけで、水不足の改善に少しでも役に立つことができます。
国産品を利用することで仮想水を減らしたり、世界でどのくらい水不足が深刻なのかを調べたり、節水を心がけるだけでもいいのです。まずは、水を大切に使用する気持ちをもつことから始めてみてくださいね。